オーバーヘッドに据え付けるという、画期的なモデルの登場には驚かされた
自分で買う買わない(買える買えない)は別として、僕はカーオーディオにはずっと関心を寄せてきた。なので、気になる製品が登場すれば、販売店に出向き実機を確かめては、あーだこーだと品定めをするのが楽しみのひとつだった。
今回、紹介するのは、そんな〝活動〟の中で入手したカタログ。ナショナルは昭和53年(1978年)8月、ソニーは1980年5月とあるから、まだ大学生の頃で、どこかのカーショップに立ち寄って入手したものだろう。
この頃といえば、パイオニアが〝ロンサムカーボーイ〟(まだ“カロッツェリア”シリーズ登場の前のことだ)で、カーコンポを打ち出したことで広く人気を集め、それをキッカケに各社こぞってカーコンポ市場に参入してきた頃だった。
そんな中で実にユニークだったのが、ナショナルの「カーコンポ・コックピット」とソニーの「メディアポータブルコンポーネント」だった。
まだパナソニック名義でブランドが統一される前のナショナルの〝コクピット〟は、小さなカタログの写真でおわかりいただけるかどうか、カセットデッキ/チューナー/プリアンプを一体にしてオーバーヘッドに据え付けるという、画期的なモデル。
実際の取り付けはルームミラーの付け根とルームランプ基部を利用するという荒技(?)だった。が、カセットを頭上のデッキのスロットにカシャッ! と入れたり、その他の操作も頭上に手をかざしたりして行う…という、航空機のパイロットさながらにカッコよく操作できる点が売り。
残念ながら僕は自分のクルマがサンルーフ付きで、そもそもこの製品の取り付けが不可能だったので自身では買って試せなかったが、モノ凄いカーオーディオが登場したものだと驚かされた。
さすがに取り付けられる車種は全車という訳にはいかなかったらしく、カタログにはフィッティングキットが用意されるトヨタ/日産/マツダ/ホンダの一部車種の名がある。
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