いまのクルマは普通に乗っていて車検を受けていれば、滅多なことでトラブルは起きないことが多いが、寿命のあるパーツについてはドライバーとして常に気を配っておきたい。
これからの季節、ぜひチェックしてほしいのが「バッテリー」だ。“バッテリー上がり”が発生してしまったら、その日のドライブはそこで予定が取りやめになり、仕事であれば業務に業務に支障をきたすことになりかねない。急なトラブルに困った思いをしたくなければ未然の対策が必要だ。
夏場は当然ながらエアコンの作動が増えるため、電力消費が大幅に増えることになる。そして雨の日の夜ならばヘッドライトやフォグランプ、ワイパーなど、さらに電装品の使用は増えてしまうだろう。もちろん日頃からカーナビやドライブレコーダーも作動しているはずだ。このようにクルマは多くの電力を使うわけだが、それでもバッテリーが元気で通常走行していれば何の問題もない。
しかし、バッテリーが本来の性能をできないレベルに劣化していて、渋滞のノロノロ走行やアイドリング停車している場合はかなり危険だ。オルタネーター(発電機)による発電量が減少し、それを電力消費が上回ってしまう! これがバッテリー上がりだ。
バッテリーの劣化は非常にわかりにくいのが難点。エンジンがかかりにくい、ヘッドライトが暗く感じる、パワーウインドウの動作が遅くなるといった兆候が現れる場合もあるが、突然死してしまうケースが少なくない。
一般道におけるJAFロードサービスの出動件数で圧倒的な1位がバッテリー上がり。毎年、2位のタイヤのパンクやバーストによる出動の倍近くのトラブルが発生している。それくらい突然やってくるのがバッテリー上がりなのだ。
ユーザーの乗り方によってバッテリーの寿命はそれぞれ違い、走行距離が短くても、アイドリングストップ車やチョイ乗りの多いクルマは寿命が短くなる傾向にある。
対策には日頃のチェックしかないが、新車購入や交換から「2年」を過ぎたら、定期的にカー用品店やガソリンスタンドでテスターによる寿命診断をしてもらうこと。電圧が12Vを下回るような明らかな劣化が見られるようならば早急の交換を検討しよう。
- 1
- 2