朝から好天に恵まれた4日(日)の決勝は、3時間という長丁場のレースのためピットストップは給油必須の2回が義務づけられ、14時11分にスタート。
トップはポールポジションからスタートしたNo.38 KeePer CERUMO GR Supraの大湯都史樹がキープし、安定したペースで周回を重ねていき2位以下との差を徐々に広げていく。
開始30分が経過した頃、1コーナーでGT300クラスの車両がストップしFCY(フルコースイエロー)が導入されるが、その解除による再スタートでもNo.38の大湯はトップをキープする。
そして、開始45分頃から各車は最初のピットストップを行うが、ここでの戦略はドライバー交代を行うチーム、ドライバー交代を行わず第2スティントも継続させるなど、チームによって分かれた。
ドライバー交代を行わない方が当然、ピットストップ時間を短縮することができ、順位変動にも影響を与えていくことになる。ここでもトップをキープしたNo.38 KeePer CERUMO GR Supraは、その後もハイペースで2位以下との差を広げていき、23秒もの差を着けて72周目に2回目のピットイン。
ここでドライバーは大湯都から石浦に交代し、石浦がベテランらしい安定した走りでトップを守りきって、ポール・トゥ・ウィンで見事に優勝を飾った。
チームと石浦の勝利は、2019年以来と実に6年振りのこと。また、力強い走りでチームに優勝をもたらした大湯は、現在F1のレッドブルで活躍中の角田裕毅と鈴鹿サーキットレーシングスクール(現・ホンダレーシングスクール鈴鹿)の2016年同期生で、2024年にトヨタ系のチームへと移籍。
この移籍後、初優勝を今回成し遂げた訳だが、前戦でマシンがクラッシュした状態からスタッフが頑張って修復して挑んだレースだけに喜びも大きく、目に涙を浮かべていた。

▲ゴール後、抱き合って勝利を喜ぶドライバーの石浦宏明と大湯都史樹、チーム監督の立川祐路
2位は昨年のチャンピオンチームで今年の開幕戦を制したNo.1 au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)、3位はNo.12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)とNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)で繰り広げられたが、最終的にNo.100が3位表彰台を獲得した。

▲GT500クラスで6年振りの優勝を飾ったNo.38 KeePer CERUMO GR Supra

▲GT300クラスのスタートシーン
そしてGT300クラスは、ポールポジションスタートのNo.777 D'station Vantage GT3の藤井誠暢が順調にトップをキープするが、レース中盤に左リヤタイヤにトラブルが発生。そのため緊急ピットインをし、タイヤ交換、給油とともにドライバーもファグに交代して再びコースへ復帰するもポジションを落としてしまう。
これでトップに立ったのがNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)で、レース終盤にNo.777と再びトップ争いを繰り広げるが、No.777は緊急ピットインで給油タイミングが異なったためレース残り11分で給油のため緊急ピットイン。これでNo.61 SUBARU BRZが約3年振りの優勝を飾るかと思われたが、なんとファイナルラップにエンジントラブルが発生してコース脇にマシンを止めてしまう。
代わってトップに立ったのが、予選27番手から驚異の追い上げで最後までプッシュした走りを見せたNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(ロベルト・メリ・ムンタン/片山義章)で、見事に初優勝を飾った。
2位は2度のトラブルを乗り切ったNo.777 D'station Vantage GT3が獲得。そして、No.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗/澤圭太)が3位チェッカーを受けるが、ピット作業違反でゴールタイムに10秒加算のペナルティを受け4位に降格し、No.2 HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威/平良響/卜部和久)が繰り上がって3位となった。

▲GT300クラスで初優勝を成し遂げたNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI

▲予選27番手から初優勝を飾ったロベルト・メリ・ムンタンと片山義章
次戦は、6月27〜28日に12年振りとなるマレーシアのセパンインターナショナルサーキットで開催される。
<文/茂木康之、写真/GTA>
- 1
- 2