乗ろうとしている人間がこれほどなら、たとえば街中でこのクルマを見かけた第三者の目には、さぞや“凄いクルマ”に映ることだろう。
外観だけでなく内装も相当なもの。ちなみにこのマイバッハEQS SUVは、通常のメルセデス・ベンツEQS SUVが3列/7人乗りなのに対して2列/5人乗り(4人乗りの用意もある)となる。

▲マイバッハ専用のモチーフをインテリアトリム、 ウッドステアリングに採用

▲コックピットディスプレイ

▲有機ELメディアディスプレイ

▲フロントシート

▲リアシート。11.6インチのモニターを備えた MBUXリアエンターテインメントシステムをフロントシート裏に標準装備
そこで贅を尽くし切ったという室内空間で、慣れないと息が詰まってしまいそう(!)になる。とくに後席は、1名試乗だったので停止状態で座っただけだが、蕩(とろ)けるようなナッパレザーが使われた、ファーストクラスのようなシートが、身を委ねるというよりも身が沈んでしまいそうな感触。
一方のフロントはお馴染みのMBUXハイパースクリーンが眼前に室内幅いっぱいに広がる。もちろんこのクルマのオーナーであれば後席に座るべきだろうが、見回すと操作スイッチのひとつひとつの操作感に至るまで、周到に仕上げられていて、詰まった息が落ち着いても今度は息の飲むことになる。

▲ペダルにもマイバッハらしい装飾
息を飲むといえば、走行感覚もそう。予想どおりアクセルを踏み込めば音もなく走り出す。ガラスの遮音も効いているようだし、ゆったりとバウンジンしながら走る様は、クルマというより船のよう。
それでいて試しにアクセルを強く踏み込めば最高出力484kW(658ps)/最大トルク955N・mのEVならではの逞しい加速を示し、左パドルで回生の強さも調節も可能だ。車両本体価格は2790万円。

▲ラゲッジルームにも十分な広さを確保

▲キーはあるが、スマートフォンの操作でも車両ドアのロック、アンロックが可能

▲クローム仕上げのBピラーが特徴的なサイドビュー
<文・写真/島﨑七生人>
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