決して速いとかスポーティだとか、そういう文脈ではなく、筆者で言うと「次に書く原稿の書き出しはどうしようか」などと考えながら平常心で走らせていられること。
神経を逆撫でしないクルマだったからだ。
昨今の日本の交通事情というとなかなかシュールで、時として想像の範囲を超えた動き、マナーの他車に出くわす。
そうした時でも新型アコードであれば、自分を忘れずに穏やかにやり過ごすことができ、ひいては身の安全も確保できる。
新型アコードのコンセプトは“相棒”だそうだが、試乗してクルマからえもいわれぬ信頼感を実感、なるほどそういうことかと思った。

▲優れたホールド性と柔らかな座り心地を提供する本革シート。運転席4ウェイ電動ランバーサポートにより、長時間のドライブでも疲れにくい
そういえばファストバックのスタイルも、一見すると先代のリメイクか? と思うが、よくよく眺めてみると先代までよりも遥かにディテールがスッキリしていてノイズレスだし、面質そのものもなめらかなものになった。
インテリアも質感は十分に高く、水平基調のインパネも落ち着いた雰囲気だ。
ここ最近、試乗で乗るクルマというと大多数がSUVだが、それらより低い着座姿勢の新型アコードのようなセダンに乗ると、「ああ、やっぱりこういうクルマがいいよなぁ」と思う自分の気持ちを再認識した。
>>HONDA
<文・写真/島﨑七生人>
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