F1日本GPにトップチームのレッドブル・レーシングから参戦する角田裕毅とは?《後編》

これらの成績が評価された角田は、2020年にF1直下のカテゴリーであるFIA-F2にカーリンから参戦する。そして第2戦オーストリアのレッドブル・リンクの予選でポールポジションを獲得し、レース1で2位と順調な滑り出しを見せる。

そして第5戦イギリスのシルバーストンのレース2で3番手からスタートした角田は、ポジションをキープしながら周回を重ねていき、レース終盤にトップ争いを展開していた2台が接触し角田がトップに躍り出て、そのままゴールしてF2初優勝を飾る。

第7戦ベルギーのスパ・フランコルシャンのレース1では、トップ争いを繰り広げるも2位でゴールするが、レース後にトップのドライバーにペナルティが科されて、角田が2勝目をマーク。

3勝目は、最終戦となった第12戦バーレーンのレース1でポール・トゥ・ウィンにより成し遂げる。続くレース2では、8番手グリッドからスタートして2位表彰台を獲得し、角田はランキング3位でシーズンを終える。この結果、F1に参戦するために必要なスーパーライセンス取得条件をクリアし、翌年のF1デビューに望みを繋げる。

▲Getty Images / Red Bull Content Pool

その後、12月16日にアルファタウリ(現・レーシングブルツ)から翌2021年シーズンのドライバーとして角田を起用することが発表された。これにより、2014年の小林可夢偉を最後に途絶えていた日本人F1ドライバーが久しぶりに誕生したことになる。

弱冠20歳で2021年にF1デビューを果たした角田は、アルファタウリでピエール・ガスリーとコンビを組む。開幕戦のバーレーンGPで13番手グリッドからスタートした角田は、初完走・初入賞を果たして9位でフィニッシュ。

同年の成績は、予選最高位が第9戦オーストリアGPの7位、決勝最高位が第22戦アブダビGPの4位、入賞7回で32ポイントを獲得してシリーズランキング14位に。

▲Samo Vidic / Red Bull Content Pool

翌2022年も角田は同チームからガスリーとともに参戦し、予選最高位は第8戦アゼルバイジャンGPと第12戦フランスGPの8位、決勝最高位は第4戦エミリアロマーニャGPの7位、入賞回数は4回で12ポイントを獲得してシリーズランキング17位となる。

2023年も角田はチームに残留したが、チームメイトは2020-21年のフォーミュラEチャンピオンであるニック・デ・フリースとなる。角田の予選最高位は第22戦アブダビGPの6位、決勝最高位は第19戦アメリカGPと第23戦アブダビGPの8位、入賞回数は7回(スプリントも含む)で17ポイントを獲得してシリーズランキング14位となる。しかも、第19戦アメリカGPではレース中のファステストタイムを記録している。

なお同年は、デ・フリースが成績不振でシーズン途中に解雇され、F1で8勝しているダニエル・リカルドが起用されるがケガで5戦を欠場し、その間はリアム・ローソンがドライブした。このように、チームメイトが3人も入れ替わるシーズンとなったが、角田は安定した成績でチーム内での立場を確立していった。

そして4年目となった2024年は、チーム名がビザ・キャッシュアップRBに変更され、角田は自身予選最高位となる3位を第21戦サンパウロGPで獲得した。決勝は7位を3回と、ここまでで最高となる入賞回数10回(スプリントも含む)で30ポイントを獲得してシリーズランキング12位に。チームメイトは、シーズン途中でリカルドからローソンに交代している。

そして角田は、シーズンオフにローソンとレッドブルのシートを競ったが敗れ、チーム名をレーシングブルズに変更したチームに残留。だが、第3戦日本GP直前にローソンの成績不調により、角田がローソンとチームを入れ替わる形でレッドブルに加入。

F1で5年目のシーズンを迎えた角田が、レッドブルに移籍して地元の日本グランプリでどのような走りを見せてくれるのか注目だ。

 

<文/CGP編集部 写真/Getty Images / Red Bull Content Pool>

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