ちなみにこのCOXボディダンパーは、一般に“パフォーマンスダンパー”の呼び名でもお馴染みのもの。
クルマのサスペンションに使われるダンパーとはおおまかな構造は似ているが、ごく簡単に言うと、パフォーマンスダンパー(COXボディダンパー)は、吸収すべき振動が微小であることと、さらに粘性を加えるところが特徴だ。
タワーバー、ブレースバーがあくまでボディの補強、剛性アップが目的なのに対し、パフォーマンスダンパーがボディの剛性感を調律しながら整えている…と言えばいいか。
ちなみにパフォーマンスダンパーそのものはヤマハが開発、それをベースに欧州車のチューニングで経験豊富なCOXがセットアップしたもの。
取り付けは前後2本で、カングーの場合はフロント側がサブフレーム部に、リアはクロスメンバー部に、それぞれ専用のステーを介して固定されている。
で、このボディダンパーを取り付けた実車に試乗してみた。すると「なるほど!」と効果を実感した。言葉で表現すると、クルマ全体がシャキッというよりシャン!とした印象になり、それなりに走行距離を重ねた個体なら、その効果はかなりあるはず。
事象で言うと、走行中の路面からの入力によるザワザワとした振動と音がグッと抑えられ、ステアリングフィールで言えば、タイヤの接地感が増して、切る/戻すという操作時のスムーズさが増し、安定感も高まるなどし、背の高いカングーでも安心してコーナリングができるようになっていた。
直進安定性もスッと高まって感じられた。 箱形ボディのカングーの場合、ボディ全体のシャン! としてくれたことで、走行中の快適性も高まっていた。
我が家の乗り心地・NVH評価担当の柴犬のシュンにも後席で試乗させてみたが、ノーマル車(の自然な感じも決して悪くない)に対して、走行中の揺れや振動が少ない分の心地よさは実感したらしい(写真はそれぞれの試乗後のカレの表情)。
■ノーマル

▲「標準のカングーのサクッとカジュアルで自然体の乗り味も決して悪くないよなぁ」と自問自答しているところ
■COXボディダンパー

▲「ボディダンパーのナシとアリはかなり違う。クルマ全体が新車のようにシャン!として感じるね。走行中の揺れや微震動も少なくなるんだね」と高評価を表情に表わしているところ
価格は11万円で、費用対効果はなかなかの高さだ。