積もった雪の上をクルマが走行すると、路面にワダチができる。気温が低いと、踏み固められた雪がガチガチに凍ってしまい、ハンドルを取られて走りづらいことこの上ない。実際のところ、新雪部分を走った方が振動も少なくハンドルも取られず、安定して走行できることも多い。
では正解は「①」かというと、これが大間違い。ワダチにタイヤを入れ、トレースするように走るべきなので、正解は「②」となる。なぜなら、新雪の下には何が隠れているかわからないから。運が悪いと障害物に激突して、タイヤのバーストやスタックの危険がある。
歩道との段差や道路と道路外との境い目もわかりづらくなるため、対向車が来たからと左端までクルマを寄せると、歩道に乗り上げたり道路外に転落したりすることも考えられる。ワダチに沿えばこうした心配はないのだ。
しかし、ワダチ内ならすべて安心かと思うと、これも間違い。さまざまなサイズのクルマが走行するため、ワダチの間隔は一定していない場合が多く、気を抜いて走っているとハンドルを取られやすい。
かといって、怖がってハンドルを強く抑えてしまうと、ワダチの壁にタイヤが弾かれてコントロール不能に陥ることもある。むしろハンドルは軽く抑える程度にして、クルマが勝手にワダチをトレースしていくイメージで走ると安全だし疲れにくい。
豪雪で道路脇に雪の壁ができてワダチが3本になっているような場所では、真ん中のワダチを対向車と共有する形になる。対向車が来たら一度ワダチから出て、徐行しながらすれ違おう。
その際、クルマがツルッと横滑りすることがあるので、対向車との間隔はしっかり確保することが大切だ。

▲ワダチは、乗り入れる際も脱出する際もハンドルを取られがち。ビクビクせず一気に段差を乗り越えた方が安定する
<文/CGP編集部>
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