
▲経年劣化によって側面にひび割れが発生。トラブルが起きる前に交換を
ほとんどのクルマでは運転席のドアを開けると「空気圧表示シール」が貼られており、そこには自動車メーカーが定めた「185/65R15 88S 前輪 260/後輪 230」などの数値が示されている。
これは185/65R15 88Sというサイズのタイヤを履いている場合のフロントタイヤの適正空気圧は260kPa(キロパスカル)、リヤタイヤの適正空気圧は230KPaという意味。
ガソリンスタンドやディーラーなどに立ち寄った際に「空気圧をチェックして下さい」とスタッフに頼めば、大抵は無料で計測と空気の補充をしてもらえる。
また、ガソリンスタンドには空気入れが必ず用意してあるので、それを借りて自分で作業を行ってもいい。ただし、計測は冷間時と決められているので、ドライブ前が基本。ちなみに空気圧が減ったまま走り続けるとバースト(破裂)の原因になったり、燃費が悪化したり、走行性能の低下などを引き起こしたりする。
そして経年車は「残り溝」の確認も大切。走行距離に応じて少しずつタイヤの溝が減るわけだが、それに応じて雨の日の排水性能が少しずつ低下する。
一定以上に溝が減ると路面とタイヤの間に水膜ができてハンドルやブレーキが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」が発生することがある。
残り溝が危険ゾーンかどうかを判断するにはタイヤ側面にある三角印を見つけ、その先の溝を見ると一部浅くなっている場所=スリップサインがある。
この浅い溝が接地面と同じ高さ(つながって見える)になったら、残りの溝は1.6mmで完全に危険な状態。車検にもパスすることはできず交換が必要だ。

▲スリップサインは側面の三角印の先の溝に設けられている
また、残り溝が十分にあったとしても、タイヤの角や中心だけが減っているような「偏摩耗」、事故などの際にできた「キズやふくらみ」、経年劣化によって発生する「側面のひび割れ」などもバーストやパンクの原因になるので早急に交換をするべきだ。
いずれもドライバー自身で手軽にチェックできることばかり。安心安全ドライブのためにぜひ実践してほしい。
<文/浜先秀彰>
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