じつはこの改定、2018年に発効されたもの。1998年9月1日以降に製造されたクルマ(バイクや大型特殊、トレーラー等は除く)は、ヘッドライト検査をロービームで行うことになったのだ。
改定の理由は2つ。まず、ヘッドライトの経年劣化による照度不足の発生を防ぐ目的。次に、ヘッドライトバルブをLEDに交換した場合などに起こりがちな、光軸のズレやカットライン不良による、対向車への幻惑を防止する目的だ。
とはいえ、いきなりの検査基準変更は混乱を生むため、2024年8月までは暫定措置として「やむを得ない場合はハイビーム検査のみでも可」とされてきた。
しかし、北海道、東北、北陸、信越、中国地域では、予定どおりこの8月に新検査基準への完全移行が決定。その他の地域では2026年8月まで2年延期されたが、近々の完全移行は見えている。
つまり、従来は暫定措置の恩恵で車検に合格していた愛車が、今年8月以降は車検を通せなくなるかもしれないのだ。左右のヘッドライトをまるごと新品に交換しなくてはならず、10万円以上の出費を強いられる場合も出てきそうだ。

▲ヘッドライトの曇りに要注意
検査不合格を防ぐには、まずヘッドライトレンズの変色や小キズによる曇りを除去しよう。自分で磨けるキットも多数販売されているが、カー用品店で磨いてもらっても数千円で済むはず。
次に、ロービーム照射時に、上方向に漏れる光がきちんとカットされているかを確認しよう。素人では判断が難しいので、整備工場やカー用品店、車検場の近くにあるテスター屋さんで、車検に通るかどうか検査してもらうべきだ。

▲正しい調整でマナーを守ろう
昨今は、ロービームが異様にまぶしいクルマをよく見かけるが、自分でLEDに交換した後で光軸を調整していない、焦点をきちんと合わせていないと思われるクルマが多い印象。
自分さえ明るく見えれば他人はどうでもいい、なんて自分勝手で危険な交換は厳に慎もう。
<文/CGP編集部>
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