「ヘッドアップディスプレイ=HUD」はドライバーが運転姿勢のままで各種の車両情報を確認できる装置で、上級車を中心に純正装着が増えてきている。
世界の自動車用HUD市場は、2020年から2030年の間に約1300億円から約3500億円規模にまで成長している。
日本精機は自動車メーカーにHUDを納入しているシェア30%のトップメーカーで、その技術を投入して開発した市販モデルがこの「LumieHUD」だ。

▲コンバイナと呼ばれるクリアパネルにクッキリと明るい表示が浮かび上がる
ボディは両手のひらに乗る程度のコンパクトサイズ(121×111×113mm)で、コンバイナと呼ばれる透明のパネルにリアルタイムの走行速度を映し出す。速度の検出には内蔵のGPSを使用し、電源はUSB(タイプA)から取得する。
本体を運転席前方のダッシュボード上に固定し、電源は車両のUSBポートや市販のUSBアダプターから取得するためユーザー自身によるDIY取り付けも可能だ。

▲USBタイプA端子から電源を取得。ユーザーによるDIY取り付けも可能だ
実際にデモ機を搭載した車両で試用してみたが、コンバイナに映し出される表示は車両前方の路上(ドライバー視点から1500mm)に浮かび上がるように見える。明るさも十分で直射日光が当たるような状況でも優れた視認性を確保できる。自動調光機能を持つが側面のボタンで5段階の任意設定も可能。

▲明るさは自動調整だが、側面のボタンで5段階調整もできる
前方を見たままの自然な運転姿勢で、視点を大きく動かすことなく表示が読み取れるため速度をつねに意識するようになる。速度超過にいち早く気付けるため違反や事故を未然に防ぐ効果を大いに期待できるだろう。車両に装備されている速度計のように一瞬でも前方から目線を外す必要がないのも安心だ。
同社では女性をおもなユーザーターゲットにしているとのことだが、高齢ドライバーや初心者ドライバーなど安全、安心運転を求める多くの人に活用できるアイテムといえる。
なお、同社のWEBサイトからは自車に取り付けられるかどうかを判断できるペーパークラフトをダウンロードできるので、購入を検討する際にはぜひ利用したい。

▲日本精機のウェブサイトからはペーパークラフトをダウンロードでき、自車への装着をイメージできる

▲日本精機東京本社でプレス向け新製品発表会を開催
>>LumieHUD
<文・写真/浜先秀彰>
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