
▲1980年の日産レパードに用意されたフェンダーミラーワイパー。ギミックといえばそうだったが、ミニチュアさながらのワイパーの“造り”は本気だった
では近代のクルマは? というと、ワイパーが付いているのは当たり前。そんな中でもユニークなワイパーというと、今から40年以上前の1980年の日産レパードに設定されたフェンダーミラーワイパーだった。ミラー面にミニチュアのようなワイパーがシュッシュッと動く様はなんとも可愛げだった。
同じ日産から1988年に登場した初代シーマでは、高級車の装備としてドアミラーに同様のワイパーが設定された。ちなみにトヨタがそれに対抗し、1988年のマークII/チェイサー/クレスタにサイドウインドウワイパーを設定。
ミラーではなくサイドウインドウ側に小振りのワイパーを付けた。しかもウォッシャー付きというこだわりようで、流石トヨタといったところだった。
ただし日産、トヨタいずれのアイデアも一代限りで、その後の設定は見当たらない。
一方で、日本車で初めてリヤワイパーを設定したのが初代シビック。1972年7月に2ドアが登場、続いて8月に追加された2ドアハッチバックのGLグレードに初めて採用された。その後、世の中の多くのクルマに広まったのはご承知のとおり。
ただし最近ではバックカメラの普及で、リヤワイパーの装着は必ずしもマストではなくなってきた。“リヤウインドゥが傾斜したクルマではリヤワイパーがあると非常に助かる”などと記事に書いた頃は今は昔といったところか。
ワイパー関連で、ほかに最近見かけなくなったのがヘッドライトワイパー。量産市販車の初期の装着例でいうと、スウェーデンのサーブ(1971年)、ボルボ(1982年)など。欧州車ではメルセデス・ベンツSクラス(1982年)や、丸型4灯時代のBMWにも用意があったほか、日本車では1980年に三菱シグマなどに採用例が見られた。
冬の降雪時にライトへの雪の付着にも対応するなど、一定の効果はあったものの、このヘッドライトワイパーも、ウォッシャーだけが残る形に発展、ワイパー自体はやがて姿を見なくなった。
※カー・グッズプレスvol.101の記事を元に構成しています
<取材・文/島﨑 七生人 イラスト/ハナサキエ>
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