本体の空気圧不足
シートもまさかの失敗が!

▲緊張のスタート。360度カメラの自撮り視点にて撮影
颯爽と湖面に漕ぎ出したのも束の間、本体ではなくシートがブヨブヨして不安定だ。どんどん体は下に沈み、漕ぎづらい姿勢になってしまった。さらに、先ほど追加で空気を入れたはずの本体もちょっとしぼんできているではないか。けっこう焦る。ちょっと漕いだだけで、もはやシートは完全に空気が抜けてお尻も冷たくなってきたぞ(笑)。
いやはやこのままで進行するのはかなりしんどいので、一度上陸してチェックをする。

▲なんてこった! コイツはシートとして機能しないのかと憤慨したが、実際はよく確かめない自分が悪かった(笑)

▲ここでシート側の気室が、空気の流出を防ぐタイプになっていたことに初めて気づくのだった
収納袋に空気をためて、そのままロール式クローズをしただけでシート展開していた私。ここで今一度構造を確認してみた。
するとなんと、ラダー状になっている生地の部分がシート専用の独立した気室になっているではないか! 黄色の管部分から口で空気を注入するとしっかりと密閉され、以後、問題なく張りのあるシートになったのであった。つまりこれは、2気室の収納袋だったわけ。
説明書をよく読まない悪い癖による、リアルな失敗例がわかりやすく出た瞬間だ。
少ししぼんでしまった本体にも追加で空気を入れて再出発!
直進性能は微妙で風には注意
でもこれで十分楽しめる

▲左右が振られやすいのは軽さのほか荷重の配分によるものが大きいはず
ふう、少し焦ったがもう大丈夫なようだ。
では、漕ぎ進めてみた感想について触れていこう。
気になった点は、シンプルに直進時、とにかく船首が左右に振られやすいこと。幸いこの日は微風だったため影響を受けることはほぼなかったが、パドルの操作を止めるとすぐにクルクルと回転しはじめた。ここで体感したのは、「強風時には乗らない方がいい」ということだ。思い通りに進まない状況や横風による転覆の恐れが想像できる。
つまり、直進性はあまりよくない。船底にスケグ(フィン)がないこともあるが、私のSUPと比較するならば、倍以上直進スピードが遅いくらい(必ずしもスピード重視のSUPではない)。とはいえ、のんびりと目的地を目指すには十分といえば十分だ。
これは軽量なパックラフトの大半に同様のことがいえることであろう。
船首に5〜10kg程度の荷物や自転車などを積むと、多少安定感は増すだろうと推察し、今後実証していく予定だ。
素材は丈夫で安心感があり
座った状態の足元は広かった

▲子どもと2人乗りをするにはちょっとキツイかなといった印象。身長180cmを超える人には窮屈に感じるかもしれない
サイズは全長220×幅90×厚さ40cm。素材に210D(デニール)ナイロンを採用している本体は、少しゴワッとした厚みがあって頑丈なつくりだ。
少し船底をするシーンもあったが、最初のてんやわんや以降、2時間程度乗っていたが何事もなかった。
乗った感じは身長173cm・体重70kgの私が乗った状態だと横幅は窮屈感がなく、脚はやや膝が曲がる程度でジャストフィットといえよう。
湖のちょい乗りはバッチリ成功
片付けが楽ちんなのはかなり嬉しい

▲初めてのパックラフトデビュー、湖で試して正解だった。個性的なカラーリングもお気に入り
無事、初乗りを終えた。率直にいうと、私にとってパフォーマンスはこれで十分。ちなみに片付けが非常に簡単で、水滴を拭き取ったら割とすぐに乾いてくれるのはかなり嬉しいポイント。
とくに今回は車で出かけたので、全体をウエスで拭いて少し天日干しをしたのち、ラフに畳んでラゲッジルームへ入れて帰路についたのだった。
試しに購入した格安で購入したパックラフト、今回使ってみてかなり遊べる予感がしてきたぞ。
今後は川など違うシチュエーションで試す予定だ。次回以降の報告もお楽しみに!
<文・撮影/CGP編集部F>
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