進化したレグノサイレントテクノロジーのポイントは、まったく新しいGR-tech Silentゴムを採用したこと。路面からの振動を効率よく吸収することで車体に伝わる振動を減衰する“源流対策”。
さらにトレッド中央部に配置した3Dノイズ抑制グルーブと突き通しのグルーブによって音圧を抑えるだけではなく、気になりにくい周波数にチューニング。
最新EVのメルセデス・ベンツEQEとハイブリッドのLEXUS ESに装着して試乗すると、どちらも静粛性が向上しているのがわかる。トレッド部分の路面とのコンタクトが静かになっている印象だ。
スムーズな路面からザラついた路面に変わっても音の変化が少なく、じつに耳に優しい音になっている。先代のGR-XⅡと比較試乗したが、GR-XⅢは格段に静粛性能が高まっている。これが構造から見直した結果だろう。
静粛性以上にビックリしたのは乗り心地の上質さだ。大きな段差ではケース全体で減衰する感じで、薄層舗装など小さな段差が連続する場所ではトレッドがいなして、伝わる振動が明らかに小さくなっている。まるでサスペンションを変更したかのようで、違いがじつに明確だ。
高速域での直進安定性も素晴らしく、タイヤの真円性がより高くなったように感じる。車線変更ではステアリングに忠実に向きを変えるナチュラルさが際立っていて扱いやすく、ロングドライブでも疲れないだろう。
【テストコースで試乗(装着車=Mercedes-Benz EQE・255/45R19)】

▲EQEは2.3tをオーバーする車両重量だが、GR-XⅢを装着すると足元が軽くなったようなナチュラルなハンドリングを披露。車線変更での収まりがよく安心感が高くなった。先代のGR-XⅡも高い性能を誇っていたが、最新のGR-XⅢは構造から見直され、全方向の性能が向上している
【テストコースで試乗(装着車=LEXUS ES300h・235/45R18)】

▲先代との比較で大きく違ったのが、連続する小さな突起を乗り越えるとき。新型はトレッドがまるで軟らかくなったように突起を包み込み、ショックをほとんど感じさせない

▲レグノの魅力である静粛性と乗り心地がより高まった。プレミアムモデルに最適なタイヤに仕上がっている
【一般道での試乗】
一般道と高速道路はプリウスとLEXUS ESを試乗したが、どちらも静粛性と乗り心地は格段に高まっている。特にLEXUS ESの乗り心地の滑らかさには舌を巻いてしまうほど。
プリウスも路面のジョイント通過時のショックは減少していて、LEXUS ESは足が軽くしっとりとしたように感じた。

▲プリウスのような比較的軽量なモデルにもGR-XⅢはマッチしていて、乗り心地が向上するのはもちろん、高い静粛性によってハイブリッドの静粛性をより際立たせている
GR-XⅢを装着したLEXUS ESで、試乗した栃木のテストコースから、そのまま運転して東京に帰りたい! と思うほど静粛性が高く、乗り心地も快適だった。
>>ブリヂストン
<写真/金沢文春>
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