■武甲山を登頂したあとは、奥武蔵随一の縦走路に向かう
山頂からの眺望を堪能したあとは、来た道を戻って下山してもいいのですが、もの足りなかった方やまだまだ余裕のある人は、武甲山の南側に延びる稜線を縦走(複数の山を歩くこと)してもいいかもしれません。
こちらの稜線は奥武蔵随一ともいわれる縦走路で、レポーターは奥武蔵黄金路(ゴールデンロード)と呼んで愛好しており、今回も小持山~大持山とめぐり、妻坂峠から下山するコースを進むことにします。
ただし、こちらコースは武甲山の表参道と比すと、かなり本格的な縦走路であり、装備不足だったり、山行経験があまりなかったりする人には厳しいと感じられるかもしれません。
逆にそれらがあり、時間と体力の余裕がある人にはオススメです。

▲シラジクボまでの急坂にはカラマツ林もあり、秋は紅葉してキレイです
まずは小持山との間のコル(鞍部=稜線上のピーク間の低くくぼんだ場所)であるシラジクボまでの急角度の斜面を下ります。レポーターはいつまで経っても下りが苦手なため、慎重に足を運びます。
シラジクボからは持山寺跡コースを通ってスタート地点の一の鳥居に戻ることもできます。

▲急角度の傾斜に加えてちょっとした岩場もあります
シラジクボを過ぎると今度は小持山までの登り返しで、傾斜はキツめでなかなかにヘビーな道のりです。こういったアップダウンはシンドイところでありますが…縦走の醍醐味でもありますね(←強がり)。

▲小持山山頂手前から望む武甲山の勇姿
小持山の山頂手前で振り返ると、先ほどまでいた武甲山の頂稜が目に入ります。この位置からだと採掘で削られた箇所は隠れていていますが、こちらが武甲山の本来の姿に近いんだと思います。

▲小持山山頂
小持山のピーク(山頂)に到着しました。
山頂は木々に覆われて眺望はほとんどなく、スペースはあまり広くありませんのでちょっと立ち止まって水分補給したくらいで、先に進みます。
次に目指すピークは大持山ですが、その手前にぜひ立ち寄ってほしいビュースポットがあります。
それが雨乞岩。

▲写真の立木が目印です

▲素晴らしいパノラマビューが楽しめます
トレイルから突き出た岩の上に立つと(足下注意!)、奥多摩の都県境尾根が間近に迫ってくるように眺められるほか、奥武蔵のラスボスである両神山、奥秩父の峰々、八ヶ岳などの眺望が味わえます。
条件さえよければ北アルプスも遠望できます。個人的には奥武蔵ナンバーワンのビュースポットと思っています。
雨乞岩をあとにして、大持山を目指します。その途中にあるのが、名物(?)岩の「通せんぼ岩」。

▲危険ということはありませんが、慎重に通りましょう
大きな岩の裂け目を通るようになっているのですが、その裂け目にも細長い岩があって…なかなか難儀です。レポーターはこの岩を通ると「あぁ奥武蔵に来たな~」と実感しますね。
そんなこんなで大持山に到着しました。

▲本日の3座目となる大持山の山頂
こちらも立木に囲まれていてほぼ眺望はナシ。山頂スペースは広くはないものの、フラットなのでこちらで休憩してもいいのですが、10分ほど先に進むとさらにいい場所があります。

▲妻坂峠方面と鳥首峠方面との分岐点
それがこちら「大持山の肩」です。

▲こちらも奥武蔵の人気ビュースポットのひとつ
東から南にかけての視野が開けており、空気がクリアな時期であれば、都内や海までも遠望できます。この光景を見ると、関東平野って広いんだなぁ~とシミジミしますね。
奥武蔵ゴールデンロードはこの先も南に向かって続き、ウノタワなどの面白いスポットもあります。そちらの紹介は次回以降として、今回は一の鳥居の駐車場に戻るため、妻坂峠に向かいます。

▲葉の落ちた樹林帯の中を通る道を歩きます
今回のコースはいわゆる低山縦走なので、森林限界を超えるような場所はありません。道の周囲はほぼ木々で覆われていて、眺めという点では雨乞岩や大持山の肩のような場所以外は、決して良いとはいえません。
しかし、たとえ眺望がなくても、このように明るく日の差し込む道を歩くのはとっても気持ちいいです。レポーターが大いに好むシチュエーションですね。

▲終盤最大の難所!? 妻坂峠に向けての急降下
機嫌よく歩いているうちに、道は急勾配の斜面となりました。下りの苦手なヘタれハイカーのレポーターは立木にすがるようにして下ります。

▲妻坂峠はかつて江戸と秩父を結ぶ交易路だったそうです
ようやく妻坂峠へと下り立ち、ホッとひと息つきます。この先は、一の鳥居に向けてさらに下ります。

▲一の鳥居まで戻って来ました
ちょっと傾斜のキツい箇所もありますが、基本はよく整備された歩きやすい道を下って行くこと30分ほどで、無事にゴールの一の鳥居に到着しました!