クルマ好きの方なら、イタリアのカーデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロをご存知のはずだ。
1938年生まれ御年86歳、17歳でフィアット社に入社後、ベルトーネ、ギヤとカロッツェリアに在籍後、30歳で自身の会社、「イタルデザイン」を設立。
これまでに氏が手がけた量産車、ショーカーの名は枚挙に暇がない。日本車でもいすゞ117クーペ(1966年)や同・ピアッツァ(1981年)をはじめ、トヨタ・アリスト(1993年)、スバルSVX(1991年)などがそう。
海外のメーカーでは、VW、フィアット、アルファロメオ、ランチア、マセラティ、ロータス、ルノー、サーブ、クライスラー、セアト、ヒョンデ、それからあのデロリアンなど数多い。
その一方で1981年には「ジウジアーロ・デザイン」を設立。クルマ以外の分野のデザインにも手腕を発揮することとなった。
ここでも〝ジウジアーロ節〟とでもいうべき、機知に富んだ、見る者の気持ちを引き寄せるデザインが数多く生み出されている。
何を隠そう筆者は幼少の頃、親にミニチュアカーを買って貰う際、誰に教えられることなく「ジウジアーロのクルマ」を選び、そのまま大人になり(!)、117クーペ、VWシロッコ、ピアッツァに自分で乗るようになったクチ。
なのでジウジアーロのデザインには今でも目がないのである。
そんな筆者なので、身の回りにはさまざまなジウジアーロ・デザインのアイテムが、実は今もある。
仕事部屋で使っているデスクチェアのコンテッサ(岡村製作所)はそのひとつ。
また家の建て替え直前まで使っていたビーバーエアコン(三菱重工)も、家電店で見つけて「これは!」と飛びついたものだった。
そのほかセイコーの腕時計も1982年のオリジナルではないが復刻版を愛用しており、少し前、液晶が寿命を迎えたため、同じタイプの2本目の復刻版を入手。
カセットテープ(That's SUONO)はもう使うことはないが、今でも時々、手元で眺めている。
そのほかにも筆者はキヤノン派だったので入手はしなかったが、一眼レフカメラのニコンF3、JVCのカーオーディオ、それとナルディのステアリングなども今では懐かしい、手に入るジウジアーロデザインだった。
<文・写真/島﨑七生人>