「“逆さ文字”、そういうのあったよなぁ〜」でピンときた人はかなりのクルマ好きですね!

■車内のミラーを通して後方をみると…

“逆さ文字”。そう聞いて「ああ、そういうのがあったよね」と思い出すクルマ好きは少なくないはず。

鏡文字、反転文字などとも言うが、要するに裏返しになった文字をクルマの場合はフロント部分にあしらい、先行車のインナーミラーに映ると“正立”で読めるようにしたもの。

市販車で最初にこれをやったのは1973年のBMW 2002 turbo(=写真)で、確かに、フロントエアダムのストライプに、かなり大きめの文字で入っているのがわかる。

これならアウトバーンで、最初は「ただの02のセダンでしょ?」と思った先行車のドライバーが気がついて、道を譲ったのだろう。

翻って、そんな2002 turboに倣ったクルマは日本車でも登場した。まず思い出すのはスカイライン(1980年)、シルビア/ガゼール(1981年)、レパード(1984年)など。

当時のカタログを見ると、いずれもオプション扱いながら、フロントバンパーに誇らしげに(?)TURBOの逆さ文字のデカールが用意されていた。

日産車ではほかに910ブルーバード(1980年)では、ボディサイドのストライプ(やはりオプション)が用意される例もあった。

国産他社のターボ車では、三菱ランサーEX 1800GSRターボなどにも例が。このクルマの場合、認可の関係で輸出仕様と国内とはフロントスポイラーの形状、エンジンが異なっており、輸出仕様では2000 TURBOの文字が入れられていた。

近年では“Hybrid”や電動車を表わす“e”のエンブレムなどは見られる。が、TURBO、DOHC、FULL-TIME 4WDといった性能を直接的にアピールするデカール、ストライプの類は少なくなった。

時代背景の違いということなのだろう。

 

<文・写真/島﨑七生人、BMW 2002 turbo写真/BMW AG>

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