
▲2009年にリリースされたエントリーモデルの「NV-U3C」。3.5型モニター搭載の小型ボディでピンクもラインアップ。自転車や徒歩でも使用できる
もちろんソニーが本気で手がけるだけに、従来からの上級カーナビと同等の高性能を目指した志の高いモデルだった。
特に自車位置の測位精度へのこだわりは強く、GPSだけでなく加速度センサーや気圧センサーを本体に内蔵。
ビル街やトンネル内などGPS電波が受けにくい場所でも正確な自車位置表示を実現。さらにオプションにはワンタッチで接続ができるVICSビーコンユニットを用意し、渋滞回避ルート探索も可能だった。
このほか付属DVD-ROMとPCを利用して地図データを入れ替えたり、メモリースティックによってデータを拡張したりすることもできるなど、ユーザーの好みに合わせたカスタマイズも楽しめた。
コントロールはタッチパネルだが同社のPDA端末で培った技術を投入したジェスチャーコマンドにより、モニター上で円を描けば地図の拡大や縮小、山を描けば自宅へのルート探索が行えるなど使い勝手に優れていた。
また、付属スタンドには吸着力に優れたゲル素材吸盤を使用。現在では当たり前となっているものだが、車載用としては「nav-u」が初めての採用だった。
「nav-uシリーズ」の高性能ぶりは高い人気を得て、その後もバリエーションを増やして進化を続けた。
だが、5年後となる2012年にライバルが増えたことやスマホ向けカーナビアプリの登場などにより、ソニーは再びカーナビ業界から撤退をすることになる。
<文/浜先秀彰>
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